墓参り

 

今日はおじいちゃんの墓参りだ。

おじいちゃんは僕が物心ついたときから、一緒にあそんでくれた。

昔から友達のいない僕は、おじいちゃんだけが僕のあそび相手だった。

そんなおじいちゃんが亡くなってもう2年。

最初は彼の死を受け止められず、茫然としていたが、2年も経てばさすがに落ち着く。

きっとおじいちゃんは、いつまでも自分の死をひきずってほしいなんて

思わないだろう。

だから、僕はあれから努力し、友達をつくったのだ。これでおじいちゃんも安心して

天国に行けるはずだ。

 

 

「おや、また誰かきたな……」

「な、な、なんかでたーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

「なんか、とは失礼な!!幽霊じゃ!!」

「幽霊って実在したの!?」

「もちろんじゃ!」

「でも、なんで僕だけみえるんでしょうか?」

「考えられるとしたら、死期が近いからじゃの。」

「えぇぇぇぇ!?」

「死期が近い人間は霊に近づいている影響で、霊が見えるんじゃ。

   逆にそれ以外のものには見ることはできん。」

「えェェーー!?」

「じゃぁーオカルト番組とかで映っているやつはー」

「あれは全部嘘じゃ!!」

「16年間生きてきて一番の驚き!!!!」

「なんや、おぬしなかなか良いリアクションをするではないか。

   この身体になっても、とくにやることもなく暇だからのー」

「人のリアクションを暇つぶしに使わないでください!!!」

「ところで……。おぬしくらい素直な子なら『サンタさん』とか信じてたんじゃないか?」

「え…?……サンタさんはいますよ?」

「…え?」

「なんならプレゼントももらいます。」

「はぁ!?」

「この間貰ったプレゼントは借金取り立て書とか書いてある紙をもらいました。」

「いや…それ借金じゃよ!!!親、借金してるよ!!!」

「サンタさんはシャイだから基本的には合ってくれないんです。……でも最近は

   サンタさんはうちのドアを勢いよく叩いてたまに合ってくれるんです。」

「いや金取りにきてんじゃよ!!!」

「でも母がサンタさんに何か渡すと、サンタさんは笑顔で帰って行きました。」

「絶対、それお金の返済じゃ〜!!」

「じゃあー『トナカイ』はどうなんだじゃ?」

「ああ、彼とは仲良くやってますよ。……先日も、銃で殺し合いをしました。」

「ええ!?トナカイと!?ってかトナカイも銃使えるのか?」

「ええ。しかし、彼はまだ初心者で、私が一方的に虐殺しました。」

「トナカイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

「しかし最近になって、ようやく腕をあげて、今や私も、三回に一回はやられます。」

「いや。おばけより不死身の人たちここにいる〜〜〜〜〜〜〜!!!」

「やっぱり、レベル上げを怠ったせいでしょう。」

「ん?れべる?ああ……もしかしてゲームの話かの?」

「ん?そうですが……。」

「そ…そうじゃな…流石にトナカイが人と殺しあうとか怖すぎーーー

   

 ちょっとまって!?

  FPSゲームできるトナカイって何?

  殺し合いってパンチワードに気をとられたけど、

  コントローラーあつかうトナカイってめちゃくちゃ

天才!!!

その光景を録画してYouTubeに流せば一気に有名になれる!!!

そうと決まれば今すぐにでも連絡をとって……。

(あせってじじい口調忘れた……。)

 

 

「小僧…トナカイとやらに連絡とれないかの?」

「できますけど…なんで急に?」

「いいから……。」

「分かりました。」

   ぷるるるる ……ぷるるるる……ぷるるるるお掛けになった電話番号はー

「だめだ。やっぱり仕事中です。」

「仕事?だがそこをなんとか……」

「無理ですよ。彼も人ですから。」

「…………………………え???」

「トナカイって人間なのか?」

「当たり前でしょ。何寝ぼけてるんですか?

   隣(トナ)の海(カイ)さん略してトナカイです!!」

「なにややこしすぎる名前に略してんじゃあぁぁ!!!儂はてっきり本当にトナカイがー

  ……じゃあサンタさんはどうなんじゃ?」

「ああ彼は借金取り立ての三太(サンタ)さんです。」

「またややこしい名前のキターーー!!!」

「あれ〜?おっかしい〜なぁ?なんでそんなこと聞くんですか?

   あーーひょっとして”サンタクロース”がいるとか信じてるひとですか?」

ぐぬぬ…。」

「 フィクションは本だけにしとけよ〜〜」

「うぜぇぇぇぇーー

   ーまさか儂が小僧にやりかえされるとは……。」

「やられたらやり返す倍返しだ!!!」

「小僧〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」

  そういってじじいはじょうぶつしていった。