俺は、カッコいい。これは自己愛性パーソナリティ障害とか、ナルシストでもなく、客観的に

判断してだ。

頭脳明晰、身体能力バツグン、顔もかなり整っている。故に後輩からも好かれる。女に告白されたことも数えきれないほどあった。

俺はみんなからの憧れで、尊敬の眼差しだった。

これは中学2年生までのはなしである。

 

なのに……。

どうして、どうしてこうなった!!!!

 

現在

• 無職

• 引きこもり

• 友達0人

• ブサイク

•オタク

 

 

 *   *   *

「あれ?なんか人間界にめちゃくちゃステータスぶっんでる奴いね?」

「あ……。ほんとだ!!いる。」

「誰だよあんなやつ作ったの?儂しらんよ。人間界なんてFにとられてから、あの星に

   手だしてないもん。」

「じゃあ誰がやったの?」

「どうせあのFの仕業じゃろ。そもそも人間界の管理はあいつの仕事じゃ。どんなことがあったにしろ

   それはFの責任じゃ。」

「でもあの力エグくね?あれだったら最下層の地龍とおんなじくらいのステータスあるんじゃね?」

「……。とはいえ儂らが、他の管理者の星に干渉するのは認められておらん。

   ここはやはり女神サリエル様に報告せねば。」

 

    シュンと音をたててじじいは消えた。

   

    ーーシュン

「 どうしたのドレイン?そんなに慌てて?」

「人間界に強力な力をまとった少年がいます。名を五条悟。彼は人間歴で14歳にして、

    地龍と引けを取らない存在。奴を野放しにすれば世界のバランスに支障がでるやもしれません。」

 「ッチ……。Fめ。あいつ最近私のもとに姿を現さないと思ったら……。

    はぁ〜きっとそいつは虎子ね……。いやーそれにしても強すぎる。

     絶対なにかFが関与している。

     ボソッ …… あいつも私を裏切るのね。

     レノア。12神ここに呼んで、緊急柱神会議始めるから。

「分かりましたサリエル様」

「   ……とりあえずその子殺さないとね。」

     

 

  *   *    *

 かの有名なスティージョブズはいった。

  「重要なことに集中する唯一の方法は『No』ということだ。」と

  俺はそんなことに気づかず生きている人間は愚かだなと思う。

  一度きりの人生で勝ち組に生まれてきた俺がいうんだから間違いない。

「おにーちゃん。また告白断ったんだって?」

「だって俺は、恋愛感情が分からないだよ。結局恋愛なんてものは

    性欲をごまかしているだけにすぎない。」

 「おにーちゃんって完璧ってよくいわれるけど恋愛に関してはゴミだよね。」

 「はぁ?なんで?」

 「無自覚……。まぁ……おにーちゃんくらい完璧だと、むしろそのくらいが普通なのかもね。」

 「普通ねぇ。ミキは誰かを好きになったことあるの?」

 「さあ〜どうかな〜あるかもしれないし、ないかもしれないし」

 「なんだそれ?」

 「ねぇ……おにーちゃん。もし誰かを好きになったら、真っ先に、一番最初に私に教えてほしい。」

 「そんなときがくるとは思えないけど。」

 「約束だよ。」

 「ん?……ああ約束だ。」

 

 

 *   *   *

 なあ〜なんでこんなことになっているの?信じらんない!!もうや〜だ!!引きこもりや〜だ〜

 神様……俺なんか悪いことした?全く身に覚えがありませんがゆるしてください!!!!

 死ぬよりも辛いことがあるって聞いたことあるけど、本当死んだほうがよくね。

 まさかこんな身体になるとかまじないわ〜人生のゲーム難易度狂った!!

 エリートスーパー社会人への、エスカレーターコースが、血の池地獄行き、真っ逆さまコースに

 シフトチェンジしてしまった。

『クソッタレ!!!俺をこんな身体にした奴ぜってぇゆるさねぇ!!』

 いまならぜったいかめはめ波うてるわ!!怒り通り越してスーパーサイヤ人なれ                   

 るわ。        

          

     ピンポーン 

 

あぁん?だれだよこんな時に!!はぁ〜……はいはい今出ますから……

「宅配便で〜す」

「あっ……はい……。」

 あれ?なんか声がでにくい?っていうかなんか今身体の動きが止まった?

 それにドクドクなってる。

 まっ……さかね〜。さすがに無職、引きこもり、ブスになったのに

 これ以上何を失うっていうの〜。

  ちょっと久しぶりに人と話して緊張しているだけだし、前世で緊張したことないけど……。

「月城様宛でお間違いないでしょうか?」

  月城?ああ今の俺の名前ね。

 「あっ……hっはい。」

「ここにハンコお願いしまーす。」

     

とん

   

「はい。ありがとございましたー。」

ガシャ

ちょっとまって!!!初めてめちゃくちゃドキドキした!!。

これはいくらなでもおかしい。

前世のころはあんな緊張したこと一度もなかった。なのにこの身体になって初めて人とあって、

そんな……まさかそんなことが……。認めたくなかった。

 そんな残酷な真実なんてあんまりじゃないか?

 いや……もう認めよう。この際一個や二個ダメなところ増えたって変わらない。

 俺は初めて恋を経験した!!この今までに経験したことない脈を打つ速さ、話そうとすると、

言葉がのどにつっかかってでてこない感じ。そして、全身が緊張して動けなくなる。

どれも俺には初めての経験だった。さらにそれだけじゃない。ある事実が発覚した。

 

そうだ……俺はゲイだった。存分に笑うがいい読者の諸君。元スーパー完璧イケメンの俺が

気がついたらブサイク、無職、ひきこもりになってさらにゲイだと発覚したんだから。

良かったな!!これで満足か!こんちくしょーが!!!

     

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次回  ゲイでも愛してくれますか?