chapter.4 曖昧な言葉

目が覚めると私は……身体が縮んでいた!!??
なんていえるくらい気絶慣れしてきたわ。
いや、慣れちゃいけない気がするのだけど。
「ごめんね、ルフナ。
わたしが強くにぎりしめちゃったせいで……」
いや、いや大丈夫。慣れてますから。
だから、ご主人もそんな顔しないで……。
私はご主人を慰めるためにご主人の膝下に寄り添う。
「ニャーーー」
すりすり
んーー
足すべすべ。
将来はモデルさんかな?
なんつってーー
「…ルフナ。ありがと 」
涙目になりながら、はにかみ笑いをうかべるご主人の姿は、不思議と儚く見えた。
でも、
あまりこれ以上DV夫みたくなってほしくないから。
気をつけてね。

ご主人は私の頭をそっと撫でて、しばらくするとどこかに行ってしまった。
あとをついてみると、頭には黄色い帽子。背中には、赤いカバンのようなものを背負って
いるご主人の姿が玄関で見えた。

どこかに行くのだろうか?
私はなんとなくご主人がどこか遠くに行ってしまう気がした。
「ニャーーー」
「大丈夫よ。ルフナすぐ帰ってくるから。」
そう言い残すと、ご主人は扉を閉め、外に出た。


2時間後

……暇だ。
何かすることはないか。
引きこもりって退屈だーー。
すぐ帰ってくるって嘘じゃん。

沖縄出身は時間にルーズって聞いたことあるけど、もしかしてご主人琉球生まれ?
そもそも“すぐ”って曖昧だよな。
「2時間後には帰るから」とか
時間指定してくれたほうがこっちは助かるわけ。
あと、「日がおちるまでには帰るから」
とかさ。いやいや、「日がおちるまでには」って天候とか、季節によって時間帯変わるし、
明確に何時?っていう話ですよ。
時計がない時代じゃないんだから。



どうせ、あなたも私のこと見捨てるんでしょ。
どうせ、ほかの動物の子と浮気してるんでしょ。
ああーヤダヤダ。
最近は草食系男子だの。肉食系女子だの言われてるけど、
ご主人は結局、付き合えれば誰でもいいわけ?