2021-01-01から1年間の記事一覧

っっっっp

不快

飢えた獣は地を這う。 脳で発せられた麻薬物質が脳をハイジャックし、侵す。 侵された脳みそは理性の多寡が外れ、衝動を抑えられない。 「ガゥゥゥゥ──」 獣は咆哮する。 彼は痛覚と快楽に溺れ、苦しみ狂う。 ぐるぐるとした環状線が脳裏にちらつき、パチパ…

chapter.4 曖昧な言葉

目が覚めると私は……身体が縮んでいた!!?? なんていえるくらい気絶慣れしてきたわ。 いや、慣れちゃいけない気がするのだけど。 「ごめんね、ルフナ。 わたしが強くにぎりしめちゃったせいで……」 いや、いや大丈夫。慣れてますから。 だから、ご主人もそ…

日常

教室の窓辺の席から俺は外を見渡す。 学校はまるで刑務所みたい。一日の半分を人で埋め尽くされた校舎に閉じ込めて…… 大人になったら、大抵のことは 忘れるのに、バカみたいに授業を受けさせられて、常に他者と比べる。目立ちすぎれば嫌われ, 普通を強要され…

鬱夢

暑い日差しが眩しい。 汗を流しながら、ぬるくなったポカリスエットを飲む。 「暑い」 最高気温を続出し続ける夏の中旬。 私は、坂の上にいた。 「お、もうすぐAがくるなー」私のとなりで話すUくんは汗をぬぐいながら坂を走るAくんを見る。 私たちはバスケ部…

晴天下

「 先輩、デートしましょう 」「 嫌だ 」「 なんでですか!!! 」「 めんどくさい 」「 それは、こんな暑い晴天下のなか、“わざわざ外に出て遊びたくない” という ひきこもり的な発想による発言。 そういう解釈でいいですか 」「 正確には、晴天下のなか、…

chapter.3 幸福

チュン チュン まぶしい日差しが窓から差し込み、部屋を照らす。 庭に植えてある ーの木の匂いが風にゆられ鼻腔を刺激した。 私はそこで、目が覚める。 「もう……朝か。」 重たいまぶたをこすりながら、起床する。 横にはまだ安眠しているご主人がいる。 私は…

童貞道

二次元ではよく、ひとつの作品には、一人の推しじゃないといけない みたいな風潮があり、また、それを自分の“嫁”と呼んだりするが、 三次元でも同様に不倫、浮気はいけないなど一妻多夫や、一夫多妻を否定する風潮がある。 しかしそれはおかしい。結局恋心は…

chapter.1 出会い

私は瞳を閉じた。 夏の熱風が私の身体を撫でる。 セミがミンミンとやかましく騒いでいる。 夏の中旬を迎えた今、気温はますます上昇する。 ほおを流れる汗を拭い、思い出す。 私が幼い頃の過去の思い出を ーあのときもこんな天気だったな。 うんざりするよう…

chapter.2 家族

スッゲェーーーー。 私は彼女の家にやってきた。 しかし、まあ…まさか、彼女が金持ちのお嬢ちゃんだったとは。 そりゃ…お金は大丈夫だわ。 とはいえ、 ……え?もしかしてこんないい家住んでいいんすか? 私ずっと野良やらせていただいてるんですけど。いいん…

俺は、カッコいい。これは自己愛性パーソナリティ障害とか、ナルシストでもなく、客観的に 判断してだ。 頭脳明晰、身体能力バツグン、顔もかなり整っている。故に後輩からも好かれる。女に告白されたことも数えきれないほどあった。 俺はみんなからの憧れで…

墓参り

今日はおじいちゃんの墓参りだ。 おじいちゃんは僕が物心ついたときから、一緒にあそんでくれた。 昔から友達のいない僕は、おじいちゃんだけが僕のあそび相手だった。 そんなおじいちゃんが亡くなってもう2年。 最初は彼の死を受け止められず、茫然としてい…